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次官の妻の逮捕

 官僚・政治家が収賄罪で逮捕されるシーンなら、今までごまんと見てきているが、その妻も同時に連行されたというのは寡聞にして知らない。毛布を頭からかぶり、連行される姿を見て、これはなかなかの椿事であるなと思った。

 いくら官僚トップの妻とはいえ、個人としては何の役職も権限もない人間が逮捕されたのは、刑法六十五条「身分犯の共犯」の「犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする。」が根拠になるそうだ。過去、これが適用されて逮捕起訴された人物には、戦後最大の経済犯罪と言われるイトマン事件の許永中がいる。つまり、守谷次官の妻は、許永中と等しい影響力を及ぼしていたと判断された、ということなのか。

 どんな組織でも、そのトップにまで上りつめた人間ならば、清濁併せのむことを要求されただろう。その妻も、陰に日向に采配をふるうことを求められるのかもしれない。そして、地位身分が上がれば上がるほど、その持てる権力に群がる有象無象が甘い蜜を携えてくる。その誘惑をはねのけるには、相当な意志の力が必要となるのではないか。もちろん、公金を扱う官僚たるもの、それを持つのは当然である、というのは容易いが、人間的弱さでは人後に落ちない私は、それを強く責める気持ちがわかない。

 むしろ、彼が責めを負うべきは、自ら綱紀粛正を発しながら、隠蔽工作をしてまで甘い蜜を吸い続けたという点にあるのではないだろうか。偽名を使った、という時点で、彼がそれが内規違反になるとの明確な認識を持っていた証拠になる。そこまでしてゴルフをしたかったのか、と、その品性を疑いたくもなろう。何度も気づきの機会を与えられていたにもかかわらず、それを生かすことをしなかった。法律面はともかく、倫理的な罪はその点にあるように思う。いくら省の中で功労を挙げようが、後足で砂をかけるようなことになってはどうしようもない。

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