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犯罪者の更生

 昨日、大阪の南船場で強盗事件が発生した。郵便局に押し入った男が、取り押さえようとした市民三人にケガを負わせ、さらに地下鉄に逃げ込んで人質騒ぎまで起こした。結局は人質が自力で逃げ出し、犯人は無事逮捕されたものの、ケガをした男性一名は胸を刺され重傷だという。ケガをされた方々の勇気に敬服するとともに、一日も早い回復をお祈りしたい。

 さて、この犯人の男であるが、今年十月に刑務所から出所したばかりだったという。調べに対し、「刑務所を出たばかりで、年を越す金がなかった」と供述しているとのことだが、出所後はホームレス生活を送っていたらしい。

 日本における犯罪者の再犯率は三〇%程度だが、起こった犯罪の六〇%弱は再犯者によるものであり、また再犯者の四〇%が出所後一年未満で再度なんらかの罪を犯している(『犯罪白書』より)。この数字を見る限り、現行制度での犯罪者更生に問題があることは明白だ。

 実際、刑務所が定員以上の受刑者を抱え、パンク寸前であることは前々から指摘されているし、更生プログラムが無きに等しい現状で、受刑者が社会復帰することの難しさも問題になっている。それが、上記のような結果を生み、ひいては社会全体の安全保障を大きく損ねている。

 今回の犯人は、その振る舞いの奇矯さやお粗末な行動結果を見る限り、なんらかのサポートを必要とする種類の人間であった可能性が高い。つまり、彼に適切な自立支援がなされていたならば、防ぎ得た事件であったのかもしれないのだ。時折、「なぜ犯罪者を税金で面倒見なければならないのか」といった感情論を見かけることがあるが、人の業として犯罪の根絶は絶望的である以上、彼らを更生させ、自立させるのが、実は経済効率的に見ても最善の道なのである。そして、前述の数字を見る限り、再犯率の低下はそのまま犯罪率の低下に繋がり、そうなると安全保障と歳出削減も担保される。

 刑を終えた人々への自立支援は、私たちにとっても、決して無関係ではない問題なのだ。

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