占いの禁止

 タジキスタン政府が、占いや魔術を法律で取り締まる動きを見せているという。ニュース一読、どこの中世国家かと驚いたが、国にはそれぞれ事情があるものなのだろう。なにせ、違反すると最低月額賃金の三十から四十倍もの罰金が科されるというのだ。日本の最低賃金が十五万程度として、単純換算すると四百五十万から六百万円の罰金ということになる。これはかなりの額だ。

 翻って我が国の事情を考えると、案外他人様の国を笑えたものでもないのかも知れない。なにせ、ゴールデンタイムの番組で、何様かわからないような占い師が無責任なことを声高にわめきちらすのを流しているような国である。一説によると占い産業は一兆円産業とも言われている。未来という不確定な世界に向かって歩み続けなければならない宿命を負っている人間にとっては、占いですら一抹の光明なのだろう。

 かく言う私も占いは好きである。好きであるが、読んだ瞬間、聞いた瞬間に忘れてしまう。友人などと話していても、そんなタイプが意外に多い。そんな私たちなら、タジキスタンでも罪問われないとは思うが、そこまで占い好きな国民の支持する占術というのは、ちょっと試してみたい気もするのである。

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罰当たりと恩知らず

 ギリシャ正教会の女子修道院の庭で大麻が栽培されているのがみつかり、庭師として働いていた男二人が逮捕されたという。身元不明のこの男たちは、修道女に対しては庭造りの手伝いをする、と嘘をついて中に入り込んだらしい。神の庭で、神に仕える女性たちをだますとは、実に不貞不貞しい。罰当たりも甚だしいとしか言いようがない。世間知らずの修道女たちは、それがご禁制の麻薬とは知らず、なにかの観葉植物だと思っていたという。もちろん、彼女たちはなんの罪にも問われなかった。

 一方、日本では、関東学院大学ラクビー部部員が大麻を吸引していたとして逮捕されたが、取り調べが進む中、他に十二名にも及ぶ部員が同罪だったことが判明した。これを受け、春口廣監督が辞任を発表した。テレビで見る限り、ラガーマンらしい顔が、憔悴しきっているように見受けられた。教え子に裏切られた心痛だろうか。最初の事件を受け、他の部員一人一人に確認をとった時には、全員が関与を否定していたという。それにもかかわらず、新たな逮捕者が出る様相となった今、部員たちと心が通じていなかった現実を目の前に突きつけられた監督の心痛は、察するに余りある。

 思うに、どちらのケースも、大麻に手を染めたことより、他人の信頼を逆手に取り、騙したことの方が罪深い。人を信じるということは、それだけで尊い。そして、その信が反故にされた時、傷つくのは騙した方ではなく、騙された方なのだ。

 それでも、修道女たちは、まだ神に救いを求めることができるだろう。男たちに対する慈悲からの赦しそのものが、傷を癒す特効薬になるかもしれない。だが、監督の方は、今まで大学生スポーツの指導者として積み上げてきた実績に泥を塗られ、信じていた学生たちに恩を仇で返された今、何に救いを求めればよいのか。心中慮るに、どうにも気の毒でならないのである。

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次官の妻の逮捕

 官僚・政治家が収賄罪で逮捕されるシーンなら、今までごまんと見てきているが、その妻も同時に連行されたというのは寡聞にして知らない。毛布を頭からかぶり、連行される姿を見て、これはなかなかの椿事であるなと思った。

 いくら官僚トップの妻とはいえ、個人としては何の役職も権限もない人間が逮捕されたのは、刑法六十五条「身分犯の共犯」の「犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする。」が根拠になるそうだ。過去、これが適用されて逮捕起訴された人物には、戦後最大の経済犯罪と言われるイトマン事件の許永中がいる。つまり、守谷次官の妻は、許永中と等しい影響力を及ぼしていたと判断された、ということなのか。

 どんな組織でも、そのトップにまで上りつめた人間ならば、清濁併せのむことを要求されただろう。その妻も、陰に日向に采配をふるうことを求められるのかもしれない。そして、地位身分が上がれば上がるほど、その持てる権力に群がる有象無象が甘い蜜を携えてくる。その誘惑をはねのけるには、相当な意志の力が必要となるのではないか。もちろん、公金を扱う官僚たるもの、それを持つのは当然である、というのは容易いが、人間的弱さでは人後に落ちない私は、それを強く責める気持ちがわかない。

 むしろ、彼が責めを負うべきは、自ら綱紀粛正を発しながら、隠蔽工作をしてまで甘い蜜を吸い続けたという点にあるのではないだろうか。偽名を使った、という時点で、彼がそれが内規違反になるとの明確な認識を持っていた証拠になる。そこまでしてゴルフをしたかったのか、と、その品性を疑いたくもなろう。何度も気づきの機会を与えられていたにもかかわらず、それを生かすことをしなかった。法律面はともかく、倫理的な罪はその点にあるように思う。いくら省の中で功労を挙げようが、後足で砂をかけるようなことになってはどうしようもない。

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羊頭を掲げて狗肉を売る

 故事の通りの出来事が、ロシアであったという。

 ロイター電によると、一ヶ月ほど前に、モスクワの中国料理店が羊肉と偽って野良犬の肉を使用した料理を客に出していたことが判明した。夜中に近所の野良犬を捕まえてきては、屠殺していたのだが、その様子を不審に思った人物が当局に通報したことから、この店の悪行が露見したらしい。その肉は衛生的な観点から、とても人が口にできるレベルのものではなかったという。

 なんともお粗末な事件であるが、五十歩百歩の食品偽装問題が噴出している日本人には嗤えまい。

 ただ、この事件、「羊肉」と偽っていたという点がいささか気になる。もし、客にムスリムがいたら、どうなるか。ロシアにはイスラム教徒も少なからず存在するのだ。豚を多用する中華料理店に出入りする者はあまりいないかとも思うが、もしいたとして、知らずと犬の肉を口にしていたとしたら、これは大問題になる。ご存じの通り、イスラムでは犬と豚は不浄の生き物として忌避される。これらが使われる食品は、絶対に食べてはいけない。

 二〇〇〇年にあった、インドネシアでの「味の素騒動」を記憶している人も多いだろう。原料に豚の肉が使われているという風評(実際には、発酵菌の栄養源を作る過程で触媒として豚の酵素が使われていた-[Wikipedia]より)で、不買運動が起こり、ついには現地法人の社長が逮捕されるまでの事態に至った。調味料でさえ、これほどの拒否反応を示されるのだ。まして、実際の肉となれば、どうなることか。場合によっては、これが理由となる報復殺人まで起こりかねないだろう。これは決してオーバーな話ではない。それほどまでに、イスラム教徒にとって、「食のタブー」は厳然たる意味を持つ。

 日本社会においても、グローバル化は確実に進んでいる。様々な文化的・宗教的背景を持つ人間が流入している現状において、食品の偽装というのは、想像外の波紋を広げかねないのだ。しかし、これも正当な表示さえされていれば片付く問題である。

 ほとんどの食品関係の企業はまっとうにやっておられるのだが、一部の不埒な食品関係者には、自らの身を守るためにも、正直な商売をお願いしたいと思う。

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ワニの養殖?

 ロイター電によると、先週末、ベトナム中部で洪水が起こり、その際に養殖場からワニが逃げ出す騒ぎがあったらしい。なんとその数、数百匹。正確な数はわからず、補足もしくは駆除されたのは百匹足らずだという。

 ワニって、養殖してるんだ。

 このニュースを読んで、最初の感想がそれだった。ただ、よく考えてみれば当たり前のことだろう。世にはあれだけ「鰐皮製品」なるものが出回っているのである。天然物ばかりだと、たちまち資源が枯渇するに違いない。

 そこで、「ワニ 養殖」というキーワードでグーグル検索したところ、二つの興味深い記事が出てきた。一つは、「全日本爬虫類皮革産業協同組合」なる業界団体が日本にあること、もう一つは日本でもワニを養殖している人がいることである。

 まず前者。「全日本爬虫類皮革産業協同組合」は、読んで字のごとし、蛇・鰐・蜥蜴などの爬虫類の皮から作られる製品を扱う業者が加入する組合であるが、その設立の目的を次のようにしている。

ワシントン条約の精神と趣旨にそって爬虫類等皮革の円滑な取引を図り、併せて、組合員の相互扶助の精神に基づき、組合員のために必要な共同事業を行い、もって組合員の自主的な経済活動を促進し、かつ、その経済的地位に向上を図るとともに、爬虫類等皮革産業の振興に資することを目的とする。

             (公式WEBサイト http://www.jra-zenpa.or.jp/index.html

 なるほど、ワシントン条約が文頭に謳われているところからも、この業界を取り巻く環境の一端がうかがえる。また、爬虫類皮革への啓蒙も目的にしているようで、サイト内に「爬虫類Q&A]というコーナーが設けられているのだが、これがめっぽう面白い。

 これによると、「現在世界で使用されているワニ革の80%以上が養殖されたもの」であり、野生/養殖を含めた生産量(解体量)はミシシッピー州のアリゲーターが最も多いそうである。来世、鰐に生まれ変わることがあれば、この周辺は避けることをお勧めする。

 また、パプワ・ニューギニアでは地域住民の唯一の現金収入源となっており、持続可能な捕獲量を調整して、慎重に管理を行っているらしい。

 該当サイトには、他にも興味深い爬虫類情報がたくさん掲載されている。我が家には残念ながら爬虫類皮革を使ったような高級品はないが、今後知人が爬虫類系の皮革製品を持っているのを見かけたら、うんちくの一つも語れそうである。

 さて、後者の日本に存在する鰐の養殖場である。その名も「株式会社 小池ワニ総本舗」。(公式WEBサイト http://homepage2.nifty.com/koikewanisohonpo/index.html)静岡県湖西市で営業している。

 気になる事業内容だが、なんとこちらでは食用肉として鰐を養殖しているというのだ。皮ではなく、肉がメインなんである。日本で鰐肉の需要がいかほどあるかはわからないが、鰐の養殖を始めた理由のトップに「日本の食料自給率が極めて悪いこと」を上げておられ、食肉としての鰐の可能性に、本気で取り組んでいらっしゃることは確実である。

 実は、私は鰐の唐揚げを食べたことがある。十八年ほど前、フロリダでのことだ。観光客向けの、いわば思い出作りメニューであるため、味を云々するようなものではなかったが、少々歯ごたえがありすぎたことをのぞけば、臭みもないあっさりとした肉で、常食にしても問題ないようなものだったと記憶している。

 小池ワニ総本舗さんでは、ワニ肉の通信販売もされているようなので値段を確認したところ、1KGが4,500円。つまり100Gで450円なので、安くはない。ブランド豚と同じぐらいか、やや高いぐらいである。この値段なら、鶏肉を食べた方がよいかもしれない。

 ただし、低カロリー高タンパクで不飽和脂肪酸を含むヘルシー食品であり、さらにはワニは血液中に自前の抗生物質を発生させるため、肉もほぼ無菌ということで、安全性も高い食肉なんだそうである。しかも、エサには通常焼却処分される廃鶏を使っていて、環境問題にも貢献している。

 つまり、ワニとは大変LOHASな食肉なのだ。

 鰐皮のバックを守っている層とLOHAS好きな層とは、かなり相関が高いような気もするし、そう考えると次は「ワニ肉食」が来る、かもしれない。

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朝青龍問題について

 日本相撲協会は、朝青龍に対して、二場所の出場停止という重い処分を下した。さらには給与の減額、謹慎に等しい外出禁止など、今までの処分を考えるとまさに椿事というにふさわしい厳罰ぶりである。

 横綱という重責にありながら、軽率な行動が目立ち、そして一向に改める様子のない朝青龍には猛省を促したい。また、一見大変な処分だが、今までの問題行動の累積の結果だと思えば、まあこんなものか、とさえ感じる。

 だが、私は、この問題は、朝青龍個人の資質にすべてが還元するものではないと考えている。

 我が家の近所には多くの相撲部屋がある。おかげで、力士の日常というのを目にすることがあるのだが、あきれることが実に多いのである。

 たとえば、明らかに未成年とおぼしき若い力士が、平気でパチンコ屋に出入りしている姿を見る。自転車に乗りながら、手にしていた紙をポイ捨てする姿を見る。若い女性と手をつなぎながら歩く姿を見る。品格もなにもあったものではない。

 さらにいうならば、ある部屋など、相撲部屋という、日本の良き伝統を伝えるべき場所において、正月に門松はおろか注連飾りすら飾らない。この部屋にはモンゴル出身の力士も複数いる。こんなことで、どうやって日本の心を外国人である彼らに伝えるつもりなのか。今の外国人力士や若い力士たちが、四股や手刀など、独特の仕草が持つ文化的意味を理解しているのかすら、はなはだ心許ない。

 これらが何を示すのは、今の親方衆の指導力不足、そして意識の低さである。日本の伝統競技である「相撲」を作り支えているのは自分たちだという自覚のかけらも見あたらない。相撲はたんなる格闘技でもスポーツでもない。一つの文化なのだ。その担い手たちは、矜持を持つとともに強い自覚を持たなければならない世界なのである。

 相撲協会は、親方や力士に処分を下すだけではなく、角界全体の引き締めと協会自身の深い反省をもって今後の運営にあたってほしいと、切に願うものである。

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大きな猫を探して

 ロイター通信社の報道によると、フランス南西部はボルドー近郊の村で、謎の「大きな猫」の目撃が相次いでいるという。その「大きな猫」の姿を見た村民は、「子供のトラ、もしくはジャガー、ヒョウかもしれない」と話しており、警察は捕獲を目論んでいるが、まだ見つかっていないとのことだ。

 当然だが、フランスのボルドーに虎や豹など猫科の大型動物は生息していない。考えられるのは、ペット用に密輸入された動物が逃げたというケースだろう。猫科の野生動物はワシントン条約で輸出入を禁止されているものが多く、逃がした飼い主が名乗り出てくることはまずないと思われる。

 それにしても心配なのは、その「大きな猫」の安否である。もしこの正体が猫科大型動物なのであれば、温暖な海洋性気候で、夏は猛暑ともなるボルドーの気候にも適応できるかもしれないが、まだ「猫」と表現されるほどの幼い個体である。餌も満足にとることができない可能性が高い。また、他の動物を狩るための罠にひっかかったり、交通事故に合う可能性もある。また猫科の動物は、長らく母と暮らす種も多い。どういう経緯で、フランスの一地方に「大きな猫」が現れることになったのか不明だが、母である個体になんらかの危害なり異変があったのは間違いないだろう。

 人間の身勝手で、野生動物を傷つける行為は、許されるものではない。今はただ、この「大きな猫」が無事保護されることを祈るばかりである。

「正体不明の“大きな猫”の目撃情報相次ぐ フランス」

http://www.excite.co.jp/News/odd/00081184983942.html

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